「時間」とは敵なのか?味方なのか?【インド占星術・東池袋・大塚】
【インド哲学・ヴェーダ哲学のエッセンスが詰まった当たる占い、インド占星術により、仕事・人間関係・ご家庭の不安を解消するカウンセリング・コンサルティング・コーチングを承っております】
古代インドの神話物語、バーガヴァタ・プラーナ の第四巻 第二十七話より
”カーラの娘が語るこれらを聞いたヤヴァナ族の王は、その時、生き物に「死」をもたらすという、神々の秘密の任務を遂行していた為、彼女に微笑みかけると、次のように答えたのです。
「私は、わが心眼によって、あなたに相応しき夫を見つけてあげた。人々から忌み嫌われる不吉なあなたは、この世界では誰からも歓迎されてはいない。」”(引用ここまで)
カーラ・・・サンスクリットで時間。ここでは(時の精霊)として登場している。
ジョーティシャ(インド占星術)では、時間を天体の惑星・恒星と星座の配置でみています。
5000年の、時間の流れと事象の関連について、古くから(このナクシャトラに○○の惑星が入っていて、かつ○○座に○○が入っている者は・・・)というような説明書がごまんと並べられているのです。
ただ、惑星の配置や正座云々とは関係なく、人には必ず訪れる、決して逃げることのできない出来事があります。
それが、「肉体の死」。
この出来事は、「すべて」の生命に「時間」が経つことで訪れてくる、不可避のイベントなのです。
「時間」は世界を動かすために必要な役割。「敵」とみるならば一生苦しい思いをするでしょうし、「味方」とみるならば、喜びをもたらすかもしれません。
重要なのは「好き」か「嫌い」にかかわらず、「時間」は動かし続けているということ。
あえて、「肉体」と付け加えているその理由は、魂は輪廻転生を繰り返して世界を転々とし続けるという説の前提で話を進めているのですが、
その哲学、世界観で進めていくと、
「魂が世界で過ごすために必要な乗り物」が肉体、という理解になります。
※ジョーティシャでは、肉体を心臓部と関連してみるため4室で扱っていますね。4室は他にも「乗り物」という意味も含まれているんですよ。
肉体には寿命がありますか。ありませんか。
ありますよね。
自動車や飛行機にも、寿命はありますかありませんか。
あります。
語弊があるといけないので補足しますが、エンジンを載せ替えたり部品を全部取り替えて使用期間を伸ばしたとしても、いずれは全てを交換し、役目を終えるパーツは全部、そうだということです。
全てには「時限」があります。
ヴェーダの世界では、この世界における原理原則、自然現象も全て神々が宿っているという考えなのです。
つまり、「時間を動かす」ことも、そして「老化」や「死」をもたらすこともまた、神々の役割ということです。
巷では「死神」と言われていたりもしますが、きちんと「神」がついていますよね。肉体の「死」は、悪魔の仕事ではなく神の仕事なんですね。
自分の魂の乗り物である、肉体もまた、契約期間、使用期限というものがある、ということが分かります。
しかしまた、老化や死が喜んでではなく、普段から忌み嫌われる存在であるというのも、すでに物語で描かれているのが、すごいところ。
五千年もの間、生死についてはそういう存在であったという概念が変わらなかった、ということなのでしょう。
「死」というものが、人々から恐れ忌み嫌われる存在で歓迎されないことは知っているにもかかわらず、世界を維持する上で必要な現象だからもたらす役割、すなわち「神」の仕事である。
まとめると、こういうことなのでしょう。
ここで終えてしまうと、厳しい内容ですので、少し補足を加えておきます。
「死」ぬことは「生」きることへのステップである。
ということです。
人の一生で見れば
「生まれ」て、「成長」して、一生懸命働いて、「老い」て「死」を迎える。
「死」が最後のゴールに見えてしまうかもしれませんけど、
宇宙時間の規模で見て、世界規模で考えてみると、1つの魂は
転々と乗り物を変えて放浪する「旅人」である。
ということなんですね。
重要なのは、私たちが、今の旅の
「行き先がわかっているか、わかっていないか?」
「達成できなくても進んでいるか?ただ彷徨い続けているだけなのか?」
あなた自身が、生まれ持った目的に突き進んでいますか?
どこかの誘惑に負けて、世界をただ遊んで時間を無駄にしていませんか?
「死」という節目を意識してこそ、今生きることの大切さをより噛み締めることができます。
ただ忌み嫌うではなく、畏敬し、世界をより生き生きしたものにしていきましょう。
終わりの次は、必ず「はじまり」がやってきます。